エピソード4
 ハローインに、サンクスギビング、クリスマス。
年の暮れにかけて浮き足立った街の風景にも、新年の幕開けと共に、また静かな時間が戻って来た。

アメリカでのお正月は、素っ気無いほど静かに過ぎて行く。
年明けのその日、人々は、別に特別な何かをするわけでもなく、ただひとつの祭日として家族と家でゆっくり過ごす。そして新年二日目から、街は平常業務に戻っていく。


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 私の新年といえは、年明け二日目に、カソリックチャリティーの事務所を訪れる事から始った。

現在お猿のデイケアは、シェルターの紹介で、カソリックチャリティーのフリーサービスを受けている。
このサービスというのは、サンフランシスコに住む、私のように事情を抱えた低収入のママたちが、自立して仕事が出来るようになるまで、子供にかかる費用を援助してあげましょうといったありがたいサービスだ。
システムに登録されたデイケアに子供を預けると、二年間に限り、その料金を、この組織が肩代わりして払ってくれる

アメリカでは、子供が小学校に入るようになると、それ程お金はかからない。公立の学校ならどこでも、授業料は幼稚園から無料である。
しかし、その前のデイケアやプレスクールに子供を預けるとなると、働くお母さんたちは、目が飛び出る程の料金を取られてしまう。

ちなみに今、お猿が通うデイケアの正規の料金は、一週間で160ドル。一月で計算すると、640ドル以上はかかってしまう。
これでもサンフランシスコの中で安い方だというのだから、驚く所であブログ, エッセイ, シングルマザー, 海外生活, 人気のブログ, 話題のエッセイ, カリフォルニア生活, アメリカ生活, ノンフィクション, 現代画家, 人気, アーティスト, サンフランシスコ, フェースブック話題の人, 話題の人, 海外の日本人アーティスト, 子供たちる。

また、この料金というのも、子供の年令によってまちまちだ。
まだ手のかかる乳飲み子となると、軽く1000ドルは取られてしまう。

働きに出ても、お給料の30%は税金に持って行かれるこのアメリカ。これではサンフランシスコのママサンたちは、ベビーのデイケア料金を稼ぐ為に働いているような物である。

しかし反面アメリカでは、こういった弱者のサポートに向けた社会の組織がとても充実している。やはりこれは、社会の中に、キリスト教のボランティア精神が深く浸透しているお陰だろうか。

何しろ大学受験の面接試験でも、ハイスクール時代にどんなボランティア活動をしたかなど、いちいち問われるお国柄だ。
私のように、突然、右も左も分からない遠い外国の街角に放り出され、仕事も無い、お金も無い、最低の生活知識にもまだまだ四苦八苦する素人ママでも、こういったカソリックチャリティーや、シェルターのアフターフォローが、何とかベビーと暮らして行ける生活に導いてくれた。これにはどんなに感謝しても、感謝しきれる物ではない。

まあ、この素晴らしいサービスも、もちろんただ胡座をかいて甘えていられるものではない。毎月それなりにビシバシと、細かいチェックは入って来る。
例えば一つの条件として、学校に行ったり仕事をしたり、『自立のために頑張ってます!』という証明を、月に一度、具体的にケースワーカーまで提出しなければいけなブログ, エッセイ, シングルマザー, 海外生活, 人気のブログ, 話題のエッセイ, カリフォルニア生活, アメリカ生活, ノンフィクション, 現代画家, 人気, アーティスト, サンフランシスコ, フェースブック話題の人, 話題の人, 海外の日本人アーティストい。
今の私は、何をおいても、まずは英語の克服である。
シェルターに入ると同時にカレッジの、外国人向けの英語クラス、ESLのコースを受け出した。

今月は、その午前中のクラスにも登録する事が出来たので、また、何とかサービスの1月更新スタンプを頂いた。
こうして毎月期間が長くなるにつれ、生活チェックも厳しさを増して行く。最近では、少々、スリルとサスペンスの入る緊張の時間である。

 

 ああ、しかし、ここで一言言っておきたいのだけれど、こう書くと、はたしてこの生活チェックをするケースワーカーの人物像、まるで『マルサ』よろしく、厳格でギスギスした人物のように聞こえてしまうが、実際、私を担当している『ビーシー』は、どこにでもいる、とっても気さくなフィリピン人のおばさんだ。
月一回の面接では、このデイケアの問題に限らずに、日々の生活の中で起こる疑問や問題、一つ一つに親身になって細かいアドバイスをくれる。今の私にとってはまさに、『お婆ちゃんの知恵袋』的な存在だ。

まあ正直言って、時々は、そんな有り難すぎる細かな彼女の干渉に、子供の頃お隣にいた、少々辛口なおばさんの顔を思い出したりもしてしまうのだけれど‥。
結局、こんな『おばさま方』の習性は、どこの国でもそう変わることなく、暖かさと煩わしさの間を行ったり来たりしているのだろう。

うーん、なんと罰当たりな。

 

 今日も面接が終わると、ビーシーが、フリーのオムツの特大袋をドーンとお土産に付けてくれた。
しかし、ブログ, エッセイ, シングルマザー, 海外生活, 人気のブログ, 注目のブログ, 話題のエッセイ, カリフォルニア生活, アメリカ生活, ノンフィクション, 現代画家, 人気, アーティスト, サンフランシスコ, フェースブック話題の人, 話題の人, 海外の日本人アーティスト, ケーブルカー, ケーブルカー乗り場, 観光, サンフランシスコ ダウンタウン, 坂井浩子, hiroko, hiroko sakai, Japanese artist in San Franciscoこのカソリックチャリティーの事務所といえば、ダウンタウンのど真ん中。
そこからアパートメントに帰るルートには、当然、お洒落なユニオンスクエアがあったりするわけで、観光客で賑わっているケーブルカーの乗り場の横も通っていったりするわけだ。

自分で言うのはなんだけど、私もすっかり逞しくなったものだと思う。今では、そんな洒落者達で賑わう『異空間』の中でさえも、テロテロのTシャツに大入りオムツの袋を抱え、平気のへの字で通り抜けて行けたりする。
それにはかえって、『このサンフランシスコで頑張ってるんだよーん!』なんて、開き直りの境地に満足だ。

とにかくいくら恰好をつけてみた所で、シングルマムの私にとって、このフリーのオムツを手に入れた『充実感』は、何にも変え難い幸せの一つだったりするのだから。

 

 マーケット・ストリートまで出てくると、いつもの黒人の二人組が、広い歩道でタップのパフォーマンスをやっていた。ブログ, エッセイ, シングルマザー, 海外生活, 人気のブログ, 注目のブログ, 話題のエッセイ, カリフォルニア生活, アメリカ生活, ノンフィクション, 現代画家, 人気, アーティスト, サンフランシスコ, フェースブック話題の人, 話題の人, 海外の日本人アーティスト, ケーブルカー乗り場, 黒人, タップダンサー, タップダンス, マーケットストリート, パフォーマンス 一人が足もとに並べたバケツでドラムのリズムをとる横で、相棒のブラックが、そのまた、どっかの工事現場からでも拾って来たようなぼろぼろのベニア板の上で、弾けるようなタップを踏んでいる。

白い歯を大きくむき出して、ドラムが無邪気にニヤリと笑う。軽快に刻むラップのセリフがかっこいい。
そんなクールなサウンドに、道行く人たちは足をとめて、周りに輪を描きながら一緒にリズムを刻み出す。

サンフランシスコの一角で、まるで、ニューオリンズの街角にでも迷い込んでしまったような楽しい幻に酔いしれる。

 

 この街を流れる時間には、人々のパワーが溢れている。
『負けないように頑張らなくちゃ』という思いが、また明日を生きる勇気になってくる。

毎日何かしら新しいことが起こってくる。
そして一つ何かを乗り越える度、それが笑顔に変わっていく。

 

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[2012/03/23 12:26] | エピソード | トラックバック:(0) | コメント:(0) | page top↑
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